ホ テ ル【完】

アマく罪深い陶酔










「模試はどうだったんだ。世の中は学歴社会だ。風紀委員長として内申の面では優遇して貰えるだろうが、あまり手を抜いているようならご近所様に顔向けできない」







──週末、金曜の十九時すぎ。

机の上にはまた一万円札が置かれているだけ。

それを使うことなくリビングで食器を洗っていた私のもとに現れたのは、堅物をこじらせている父親だった。





珍しく早いお帰りに喜ぶわけもない。母親はまだ帰ってきていなかったが、きっともうそろそろ男を連れて戻ってくる時間帯。

娘の夕ご飯なんて作るわけもなく、または今日は適当に食べておいてと気にかける連絡を入れることもなく、仕事終わりに遊び呆ける。

そのくせ言うことだけ言う都合のいい親。




私はただの"優等生"であればいい。

そのレッテルを張ったまま生きることを余儀なくする。




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