ホ テ ル【完】





まあ、時期的にもしょうがないとも言える。中間テスト間際の切羽詰まる時期だし。

しかもこの学校の生徒は内申点をかなり気にするから、何が何でも定期テストでは良い成績を残していたいと思うらしい。

自分で言っちゃなんだけど、私は頭がいい。だからクラス中の、所謂、頼みの綱。

今まではどっちかというとうわべだけの付き合いの女子が多かったけど、最近はどういうわけか男子ばかりがやってくる。…もう、暑いのに。






「これは…、Xの微分方程式で…」


クラスには私たち以外誰もいなくなった。だってだいたいの生徒の放課後の行動パターンは図書室か塾の二択。


そんな静かで生温い教室の中で、身を乗り出して説明する私はふと、なにかジリッとした視線が向けられていることに気づく。





男子生徒たちは、揃いも揃ってそんな瞳で私を見てきていた。聞いてんのか?なんて思ったくらいに瞬きもせず見てくる。

彼らはクラスの中でも賑やかな六人だった。サッカー部、バスケ部、テニス部とモテそうな部活に所属していて、割りかし活躍しているハツラツ系男子。

進学校ながらに彼らはそんなに成績が良くなくて、今までは私を頼りにしてきたことがなかったのに。




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