ホ テ ル【完】






シチューがついた自分の手首を舐めとった昴瑠は、ネグリジェにお団子頭、首にリボンチョーカーをつけている私の視点に自分のそれを合わせてくる。

眼鏡が、誘引的に光った。






「寝る時も起きる時も常に首のこれを見て、お前は俺のなんだって、……羞恥心も感じるくらいに、実感して」






それは、昴瑠からのプレゼント。

ちょっと重苦しいくらいが私にはちょうど良かった。楽なカットソーに着替えていた昴瑠は、表情を変えることなくソロリと指を伸ばしてくる。




「ねえ、柑奈は、誰のもの?」

「……っ…」

「誰の、…だ?」



息を飲む、


「……すっ……昴瑠…の、……だよ」





ネグリジェがスースーして落ち着かない。シルクの生地があまりにツルツルすぎて。

とんでもなく恥ずかしい台詞を口ごもりながら口にすると、彼は満足そうに口角を上げた。






「だったらもう他の男に触らせちゃダメだから」

「……っ…」

「触らせるのは、ダメ」

「……すば、る」

「本当は……見せたくも、ないけど」





しなやかな指がチョーカーの先端を摘まみ上げる。

色のない瞳がすぐそばにあった。





「この首のリボン、すごく解きたい」

「すば、るっ…、」

「ねえ」

「……んっ」




独占欲を見せつけてくる昴瑠は、顔を火照らせている私へと無言で唇を寄せる。

そのまま熱を孕ませて塞いでくると、シュルリ、挑発的にチョーカーを解いた。









「先に柑奈のこと、食べて…いい?」





────…そんな貴方も、大好きです。





fin



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