ホ テ ル 2【完】

スイートルームで甘い夜









「ねえ、なんで赤にしたの?」



客室フロアの通路を黙々と歩いていく昴瑠を見上げ、おもむろに気になっていたことを口にした。

流れ的に今この話題をふるのは空気が読めていなかったのかもしれない。

昴瑠が不機嫌そうな顔をしている。






「ねえ」

「……」

「昴瑠」

「……」

「ねえった、ら…っ!」



どこかの部屋の扉が開かれたと思ったら、昴瑠らしくない乱暴な手つきで投げ落とされる。

着地した場所はキングサイズのベッドだった。






「ーー"なんとなく"だけど」

「えっ!」

「なんとなく、最初から赤だと思った」





私と一緒だ。

緊張が解かれて安心したからかつい表情が緩んでしまう。




昴瑠はアンニュイな表情のまま、私がつけている仮面へと手を伸ばし、優しく取ってくれる。


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