神楽さんと御堂研くん

第1章 /井口隼人

「勉強会って意味あんのかー?」
少しして、俺はそう言いながら伸びをした。
たまたま通りかかった店員さんと目が合う。
少し首を傾げて口角を上げると、顔を赤くしながら会釈した。
あれは20歳超えてんなー。
「少なからず神楽ちゃん的には意味あるよ」
神楽さんにはけんが付きっ切りで教えている。
その横でたまに直くんも一緒に説明を聞く。
「俺ら勉強は1人の方が出来る組だよな」
「うん」
さつきも暇そうにスケジュールを開けていた。
「俺、ここ暇」
さつきのスケジュールを指差す。
「あ、ちょうどいいじゃん、いつ海行く?」
「海は行かないって」
直くんが口を出す。
「直くんは勉強しとけって」
「てか、海じゃなくてもどこでもいいんだけど、神楽ちゃんどこ行きたい?」
勉強に必死な神楽さんは、んー?とかあーとか言いながら無視をする。
「けんはー?」
「俺はどこでも」
けんはけんでバイト休めるかなーとか言っている。
「直くんは…どこでもいいよね」
さつきまで茶化す。
「おい!よくねーよ!」
近藤がそれ言うの!?と騒いでいる。

「夏休みまでに付き合うかなー?」
俺がこそっと近藤に聞くと、さあと首を傾げた。
「そーゆー話しねーの?」
「するけど教えないよ?」
あ、するんだ。
「さつき、恋愛しなそう」
俺がそう言うとあーと考えるように顎に手を当てる。
「でも、確かに苦手かも。隼人は年上と付き合ってそう」
「あ、そーなんだ。直くんは?」
「直くんはそれこそじゃん!」
意味深な言葉に首を傾げる。
「え、なに?悪口?」
シャーペン片手にしっかり反応する。
「御堂陵くん、けんちゃん、直くんは一途っぽい!」
「あ、そーなんだー」
直くんが嬉しそうに笑う。
「うん!重そう!こじらせてそう!」
近藤がはっきり言う。
悪く言えばそうだよな。
直くんはうわっと言って聞かなかったことにする。

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