神楽さんと御堂研くん

第3章 /神楽さん

「けんちゃん昼、別で食べるって」
直くんは私の席まで来ると、私の前の席に座る。
直くんの言葉に、御堂くんの席を見ると、すでにそこには居なかった。
「わかった」
隣の席に井口くんが腰を下ろす。
「神楽さん、近藤のとこ行く?」

あれからさつきちゃんは来なくなってしまった。
私が食堂に行けば一緒に食べてくれる。

私は首を横に振る。
「今日はいい。ここで食べる」
「明日からは?」
井口くんが私の顔を覗き込む。

「…1人で食べる」
「え、俺いるけど」
直くんが驚いたように言う。
「じゃー姫は直くんに任せて、俺は教室戻ろーっと」
手に持っていた袋を振り回しながら教室を出ていった。
「ヤバイな、あいつ」
引いた目で見ていた直くんは、私に同意を求めてくる。

御堂くんが居なかったら、来ないんだ…。

「御堂くんのこと、好きなんだね」
私の顔を見て、キョトンとする直くん。
「御堂くんって呼んでるの?」
「あ、あんまり名前呼ばないから…一回苗字やめてって言われた事はあるけど」
「そうなんだ」
「うん」
「……」
「直くん、好きなことしてもいいよ?本読んでも…」
「さすがに勉強する」
初めて苦笑いをされた。
ご飯食べたら一緒に勉強しよーな、と優しい言葉をかけてくれる。
私は、うんと頷いた。

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