神楽さんと御堂研くん

第4章 /有山直

俺の言うことに、うんって頷くのが可愛いなって思ってただけだった。


「大丈夫?」
クラスメイトの由良が綺麗な顔を覗き込ませてくる。
「なにが?」
隣で見られていたようだった、神楽さんとのやりとりを。
「いや〜、好きだったのかなって」
「過去形」
「あ、ごめんね?」
嫌な笑顔を向けてくる。
少しムッとしてしまったのかもしれない。
ふっと吹き出す。


「友達とライバルって、どうなの?」
「普通にいい子だとは思う。それ以外に何も思ってないよ」
そう思うことにしてる。
「めっちゃ青春だね〜」
会話のキャッチボールが出来ていない。

「いいよね、神楽さん」
そう言いながら俺の顔色を伺っている。
何を楽しんでいるのか。
「素直だし、あからさまに懐いてくれるし、思ったよりいっぱい話してくれる」
「……」
「すらっとした美人で?よく笑って、優しい?」
「…なに?」
「いや〜?」
にこにこと…いや、ニヤニヤとこちらを見ている。
「うざいな」
「いいと思うけどな。友達と同じ人が好きでも」
「けしかけて何がしたいんだよ」
「面白そうだなと思って」
俺は、はあとため息をつく。
机に付いていた手を退けて、椅子に深く腰掛ける。
だるい。
思わず態度に出てしまう。
「どう見ても両想い。別にどうこうしたいとは思わない」
「認めた?」
「わかった。もうそれでいいよ」
心底楽しそうに笑った。
「楽しみにしとくね」
お前は自分の人生楽しくないのかよ。
呆れた。
ひらひらと手を振りながら自分の席に戻った。

それと入れ違うかのようにけんちゃんが教室を入ってきた。

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