神楽さんと御堂研くん

第5章 /御堂研くん

こちらを見ながら笑う2人。
なんだか楽しそうでこちらも笑顔になる。
「なんで笑われてるんだろう」
そう言いながら近づくと、隼人がそりゃあなあと、直くんを見た。
「いやー、俺はさすがだなと思って」
「なにそれ」
訝しげな視線を投げかける。
「直くんなんだか久しぶりだねー」
嬉しそうに直くんのそばによる神楽さん。
可愛らしい笑顔を向けている。
「そうだな。久しぶり」
神楽さんの頭を撫でる。

え、待って!?それありなの!?

少し驚いた顔をした神楽さん。
自分でしといて照れたように手で口元を拭う直くん。
「わあー」
隣では酷い裏声で小さく声を上げる。
「その奇声はなに」
「いや、攻めたなーと思って」
「…けしかけたろお前」
「人聞きが悪い。けんの真似すればって言っただけ〜」
「俺そんな頭ぽんぽんとかしない」
「それは直くんのオリジナル」
「オリジナル?」
「オリジナル」
「original arrange?」
「Yes.That is original arrange.」
直くんを手で指しながらふざける隼人。
「おい」
怒らせていた。


「姫悪いな。また今度な」
改札で手を振る神楽さんに隼人が謝る。
「うん!またみんなでご飯行こうね」
人混みに埋もれるのを3人で見送った。


「どこいくー?」
機微を返し商店街を歩く。
「この辺ファーストフードしかないけどな」
「そこに喫茶店もあるよ」
さっき女子生徒に薦めた店だ。
通る道を指差す。
「じゃーそこで」
「もしかしたらアウェイ感」
サラリーマンとかが新聞を広げているイメージなんだよね。
「どんな喫茶店だよ」
「確かに制服は浮くんだよね」
地元民の隼人が言うから間違いなさそうだ。
「さっきクラスの子に喫茶店すすめちゃったから居るかも」
輪にかけてめっちゃ微妙な状況で。
「もーファーストフードでいいんじゃね?別に」
「じゃーそこで」
いつも通りそこへ向かう。


「あ、花咲だ」
店内に入ってすぐ、口を開いたのは隼人だった。
レジ近くで友達と喋っている中学の同級生を見つけた。
「あ、ほんとだ」
そばで立ち止まった俺たちを見上げる。
「わ!けんちゃんじゃん!!井口くんも!」
久しぶりだねーとひらひらと手を振る。
「元気そうで」
「家近いのにあんまし会わないねー」
不思議そうな顔をする。
花咲と俺は住宅街内だ。
帰る時に一緒になることが多かった。
「ほんとだね」
そういえば、と思った。
「また話聞いてね」
中学の時みたいに、とニヤリと笑った。
「あはは、うん」
当時の彼氏の愚痴をひたすら聞かされた過去に苦笑いを浮かべる。
ひらひらと手を振り返して振り返れば直くんと隼人は既にメニューを見ていた。
俺もその後ろから適当にメニューを指差した。

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