ランピード・フォルス【完】

6章。解き放たれた過去 /確かな記憶





「醤油」

「あ、はい」


テーブルの真ん中に置いてある醤油さしを取ってタスクに渡す。

例えば、気の利く女の子なら“醤油”って言われなくても自らタイミングを見計らって渡してあげたり、最初から彼の前に醤油を置いておくのだろうか。


私はいつも言われなきゃ気づかない。

気の利かない女だ。

と、ネガティブるその前に。


「やっぱり変だよ」

「何が?」

「どうしてクリームシチューに醤油なの?」

「普通だろ」

「普通はかけないよ。カレーだったらまだ分かるけど」

「あっそ。人の食い方にいちいち文句つけんな」

「別に文句言ってるわけじゃないけど…」


やっぱりおかしい。

と、心の中でリピート。

口に出したら怒るからね。


私の白いシチューとタスクの茶色いシチュー。
同じ物食べてるのに全く別の物みたい。



「明日ね、私遅番だし、店終わってから少し棚卸し手伝わなきゃいけないからチカちゃんと先に食べててね」


明日は久しぶりにタスクとチカちゃんと3人で外食。

チカちゃんを誘ったのは私。

最近はタスクといすぎてヒューとまったり過ごすことも出来ない状態。

仕事→タスクの繰り返しな日々。

一日くらい違う時間がほしかった。

結局タスク付きだけど。



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