ランピード・フォルス【完】

8章。カウントダウン /哀愁のオーガズム




カーテンで仕切られたユニットバス。

空っぽの小さな冷蔵庫。

スプリングが弾まないベッドの横にはスタンドランプ。


私は部屋の端に行くと、窓の外の景色を見ないままカーテンを閉めた。



安宿のビジネスホテル。

今日はヒューとふたりっきりでいたくてここに泊まることにした。


アパートに帰ればタスクがいるかもしれない。
いるかもしれないというか、100%の確率でいるだろう。


ケータイはカバンの中。
電源はオフになったまま。


いつもの私なら出来ない行動なのに今日は違った。

“用が終わったらすぐに電話するね”

と送ったメール。


タスクにした約束を破るということは死刑覚悟で犯罪を犯している気分。

明日の自分を想像するとちょっと気が滅入るけど…明日のことを考えるのはやめよう。

人生は今しかない。
今は今日しかない。



「ヒュー」

姿が見えないヒューに呼びかける。


「ヒュー」

名前を呼んでもヒューは現れなくて不安な気持ちが押し寄せてきた。



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