ランピード・フォルス【完】

8章。カウントダウン /白いうさぎ




気が狂いそうになったけど、気が狂ったのはタスクのほうだった。


髪を引っ掴まれて、固い床になぎ倒される。

タスクは気が狂ったように私を殴り続けた。


言い訳さえさせてくれない。

音信をシャットアウトしてアパートに帰ってこなかった私をタスクは許さなかった。


殴られた瞬間に口の中が切れて、想像以上の出血が私に危険を知らせる。

それを飲み込めずに吐き出すと、床に真っ赤な血が滲んだ。


血は生と死を交錯させる。
生きてるのか、死んでゆくのか…。

明日が見えないまま私は目を閉じた。

気が狂う前に疲れと精神的ショックで気を失ったんだろう。

気づけば次の日の朝だった。


鏡に自分の顔を映しながら職場に電話をかける。

腫れて所々変色した皮膚。

こんなぐちゃぐちゃの顔で仕事に行けるわけがない。


角が立たない言い方で暫く休みをもらおうと思っていたけど、電話に出た清水さんに嫌味を言われて気づいたらこんな言葉が口をついて出ていた。


「辞めます」



  • しおりをはさむ
  • 656
  • 30
/ 446ページ
このページを編集する