ランピード・フォルス【完】

風に乗せて





この季節を感じて、想う。

この国にも春があってよかった、と。





高2の新学期。


「京橋君、これ、先生から」


窓の外の桜を見ていた俺にプリントを持ってきた彼女があまりにもタイプでみとれてしまった。


「ニモ!体育館行くよー」

教室の入口から彼女を急かす声が響く。


「あ、待って!」

彼女は、彼女にみとれる俺にもう一度声をかけて

「京橋君、これ、置いとくね」

プリントを机の上に置くと、友達の元に走った。






桜が咲く頃に彼女を思い出して、

桜が散る頃に彼女を忘れる。

俺は毎年それを繰り返す。





  • しおりをはさむ
  • 656
  • 30
/ 446ページ
このページを編集する