御三家の桜姫㊤【完】

二.姫か下僕か /(三) 敵か味方か


 学校が文化祭ムード一色に染まり始めたせいで、授業時間も文化祭準備に割かれることが多くなった。お陰で、私と桐椰くんはまるでクラスから仲間はずれにされているかのような状態。


「だが、これだと票が入んねぇんだよな」

「なるほど、クラスの手伝いをしてポイントを稼ごうと。したたかですね、桐椰くん」

「戦略だ。ただでさえ御三家に味方いねぇのに」


 そう言うが早いが、桐椰くんは立ち上がると、近くにいた赤井くんを捕まえた。


「おい、クラスの出し物って一応クラス全員でやるだろ。仕事くれよ」

「はぁ? お前なんかにやる仕事ねーよ」


 だがしかし、赤井くん、拒否。そして桐椰くんが仕方なさそうに首を回してバキッボキッと音をだす。威嚇行動だろうか、現に赤井くんの肩がびくっと震えた。


「な、なんだよ! 話し合いには参加しなかったくせに!」

「あれはお前らも名簿回さなかったりしただろーが。どっちもどっちだろ、仕事寄越せ」

「名簿回さなかったのは俺じゃねーよ、そこの女子だろ」


 赤井くんが責任転嫁しようとばかりに指差した先には、黙々と看板を塗る女子グループがあった。その中の一人が、自分のことだと言わんばかりに硬直してみせる。桐椰くんが顔をしかめた。


「おい、何で回さねーんだよ」

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