御三家の桜姫㊤【完】

一.御三家と生徒会 /(三) 契約と命令



 御三家の仲間にならない以上は守らない──。


 松隆くんの宣言通り、試験週間、桐椰くんと私の席は前後で固定だったのに、桐椰くんは一言も私に話しかけてこなかった。私も用がないから特に話しかけないし……、って感じだったから、会話なし。


 ただ、たった一日桐椰くんと行動していたというだけで、次の日からクラスの対応はガラッと変わった。下駄箱にゴミは入ってないし、呼び出されることもなくなったし、私物が消えることもなくなったし、コソコソ笑われることもなくなった。御三家の力、恐るべし。


 ただ、やっぱり三日も経てばみんな桐椰くんの気まぐれだったみたいに考え始めたみたいで、試験が終わった次の週には下駄箱の扉にガムテープが貼られて開けられなくなってた。

 思わず下駄箱に手をついて項垂(うなだ)れる。油断した……三日間何もなかった上に土日も挟めば、もう何もされなくなったかと思ってた。


 苦労しながらガムテープを剥がすと、今日は手紙が一通入ってた。手紙、というか、ルーズリーフの切れ端みたいなもの。リンチかなぁ、と思いながらその簡素な手紙を手に取ると、「放課後第六西」と粗雑な字で書いてあった。

 リンチでも呼び出しでも告白でも何でもいいけど、なにこれ、何処。

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