御三家の桜姫㊤【完】

一.御三家と生徒会 /(四) 本音と建前


 次の日のお昼休み、私は桐椰くんと向かい合って昼食を食べていた。もちろん教室の中で。クラス中の視線が突き刺さり、とても気まずい。桐椰くんは知らん顔してコンビニのおにぎりを食べている。私もコンビニのおにぎりを食べている。無駄にお揃い。とても気まずい。


「……あの、桐椰くん」

「なんだよ」

「……せっかく御三家には第六西というアジトもあるわけですし、そこで食べませんか」

「やだね」

「なんでですか」

「俺と一緒にいる方がお前が狙われる理由増えるじゃん。俺らは契約に沿ってしっかり役目を果たしてることになるじゃん。お前が俺らの命令断れなくなるじゃん」

「最低だ!!」


 わっ、とまた手で顔を覆う。桐椰くんはまた無視。


「まぁまぁ。どうせもう無駄だって駿哉も言ってたろ。大人しく生徒会役員会議資料盗む作戦考えろ」

「……転校したい」


 はぁ、と溜息をついた。そういうわけにもいかないけど。


「とりあえず、その生徒会女性役員専用のスペースがどこにあるかとか教えてくれない?」

「あぁ、そうか。役員でもないから分からないよな」


 そういう自分も役員じゃないくせに……。


 桐椰くんはおにぎりの最後の一欠片を口の中に押し込むと、カバンの中からノートを取り出した。赤色の背表紙に、薄ピンクの表紙。ごくごく普通の、オーソドックスなキャンパスノート。そのノートを後ろから開くと、地図が描いてあった。

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