買われた遊女 2

「それじゃあ 恨みっこなしは難しい話しでございます。」

清太のきっぱり答えた姿勢に 凛は少し悲しい表情を浮かべた。

その様子を見ていた京之助は、清太への言葉を一言添えた。

「凛が狙われたのは 初めてじゃねー。しかも 凛にとっちゃあ妓楼は死刑と同じだ。自分が盗人をして捕まったら 腹を立てて 攫っちまうとは、言語道断じゃねーか。」

清太は 京之助の言葉を聞きながら また 凛の泣いていたころを思い返していた。

初めて客を取らされた次の日の朝 凛は 半分狂っていたと言ってもいい。

「汚い…。汚い…。洗い落とさなきゃ…。汚い…。触るな!!」

そう言いながら 井戸の水で 体をずっと洗い出して 見兼ねた その時凛の面倒を見ていた花魁が 止めに入ったのを、清太は 見ていた。

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