キミとキス。【完結】

殿と姫 /side ハルカ

アオシさんは、父が言っていた通りのとても紳士な方だった。

こんな時代にタダで泊めてくださるとは。

そのうえ、シャワーまで使わせていただいた。

ここ1カ月の慌ただしい毎日が嘘のようにとても安らぐこの瞬間。

何がなんだかわからないまま過ぎて、何もかも失った1ヵ月。

何をしていたのかほとんど記憶がない。

私は、本当に世間知らずだったんだと思い知らされた1ヶ月だった。

温室で育てられたお野菜みたいに、外の世界を何も知らなかった。

それだけ愛情たっぷりに育てられていたという証拠。

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