キミとキス。【完結】

記憶と現実 /side ハルカ

ベッドにうつぶせになったアスカさんが泣いているように見えた。


「アスカさん。……あの、あの……」


気の利いた言葉が浮かばなくて、だけど少しでもアスカさんが落ち込んでいるならば気を紛れさせてあげたくて。

慌ててしまってうっかり自分の気持ちを言ってしまった。


「私、あの……、いろんなことが初めてなので本当は緊張していて。あの……、初めて殿方と、あの、その、……の時はとても苦痛がともなうとお聞きしました」

「……ふふ。そうね。だけど……それ以上の幸せな気持ちがあるはずよ。本当に好きな男が相手なら」

「じゃあ!!……やっぱり初めてはアオシさんに決めました」


本当はそんな願いは叶わないのだと思う。

だけど、今はアスカさんの気持ちを紛らせてあげたい。

0
  • しおりをはさむ
  • 315
  • 883
/ 454ページ
このページを編集する