キミとキス。【完結】



「アオシさんのお父さんのもの。父の形見。……そのクラリネットを持って、9月からウィーンに行ってきます」

「腕時計……していけよ」


アオシさんの声が少しだけ震えているような気がした。


「はい。……お友達100人できるおまじないですもんね」

「いや。違う」

「……え?」


優しいキスのあと、とても穏やかにアオシさんが囁いた。




「時計の意味は、……誰にも渡さない……君を」



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