南高校2年生 前田杏子。
あんずのクラスに転校生がきた。
「今回転校してきた伊達翔真君だ」
「東高校から転校してきました、伊達翔真です。よろしくお願いします!」
見た感じ、少しヤンチャそうである。
「これで朝のホームルームをおわります」
翔真は、転校してきたばかりなのに、昔からこの学校にいたかのように友達と話している。
信じられない。恥ずかしがりやな私には考えられない事だ。
教室の窓の外を見ると、桜が舞い散る。
今年も、彼氏がいないままかとさとらせる冷たい風。
本を読みながら、そんなことを考えていると、ふと溜息が出た。