無自覚な誘惑。【完】

《第3章》不機嫌な和泉くん /想い人



【side佐倉】



俺は——女の子っていう生き物は、とても醜いと思う。

裏表を兼ね揃えて、可愛らしく繕うその生き物がはっきり言って苦手だ。


女兄妹に囲まれて育ったから、尚更そう思うのかもしれない。









「佐倉せんぱーいっ!お疲れ様です!」

「タオル要りますか?」

「ボトルどうぞ!」



部活中。休憩に入った途端、待ってましたと言わんばかりに群がってくるマネージャーたち。

その策略には気づかないフリをして、俺はいつも笑ってみせる。



「ありがとう」



満足した様子で微笑み、はしゃいでいるマネージャーたちを見て、心の中で呟いた。


バカだなぁ。


ほんと、愉快な頭で羨ましい。

俺のこと、純粋無垢な優しい男と信じて疑わない女の子たち。

0
  • しおりをはさむ
  • 7230
  • 37344
/ 518ページ
このページを編集する