無自覚な誘惑。【完】

《第4章》不器用な恋たち。 /その笑顔ひとつで




和泉くんと佐倉先輩がいなくなった部屋で、私はさっきのことを思い出した。


和泉くん……何しようとしたんだろう……?

さっき、私に向かって手を伸ばした和泉くんを思い出す。

何か言いたそうな表情をしていたのが、頭に焼き付いていた。


もしかして……私、何かついてるっ……?

そう思って、自分の服を見る。

特に何も見当たらず、自分の予想が見当違いだったという結論に落ち着いた。



「花染さん?どうしたの?」



戻ってきた保健医の先生が、不思議そうに私を見ている。



「あ……い、いえ」



すぐに、笑ってごまかした。



「それより、寝てなさい。今日は何もせずに休むのよ」

「あ……はい」



健太くんに、申し訳ないことをしてしまったなぁ……。



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