無自覚な誘惑。【完】

《第5章》無自覚な誘惑 /奪われたファーストキス




家に帰ると、お父さんとお母さんに迎えられた。

ふたりともすごく心配してくれていたみたいで、笑顔を見せるとほっと胸をなで下ろしていた。


家族と一週間も離れたことがなかった私も、気を張っていたのか安心して少しだけ涙が滲んだ。

やっぱり、家は落ち着くなぁ……。


ご飯を食べる前に、子機をとってリナちゃんに電話をかけた。


きっと心配してくれているだろうし、早く終わったことを伝えたい。


3コールで、ぷつりと繋がった電話。


「もしもしリナちゃん」

『静香、もう家?』

「うん。今帰ってきたよ」



合宿の間にも電話で話したけど、なんだか久しぶりに聞くように感じるリナちゃんの声。



『合宿どうだった?変なやつに絡まれたりしなかった?』


心配している声色に、笑みがこぼれる。

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