涙とキスと泣き虫クン*完

涙とキスと泣き虫クン /再び


旧校舎の2階の廊下から音楽室の窓をのぞけば、癖っ毛のある真っ黒で柔らかそうな髪の毛の頭が半分だけ見えた。

誰にも呼ばれた訳じゃないのにリキを見付けられるのは、ある意味、特技になっているのかもしれない。


「先輩、彼氏いるんだってね」

なんて壁に寄りかかって座っているリキの姿を上から覗き込めば、


「……知ってたよ」

当の本人は振り向きもしないまま、返事が戻ってきた。

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