涙とキスと泣き虫クン*完

涙とキスと泣き虫クン /新学期


柔らかい唇に人差し指を当ててから、唇にキスを1つ落とした。そのまま唇全体を一周舐め回してから、ゆっくりと口内に侵入させる。


「……ッ、も、だい」

何か言おうとしているのは分かるけど、そんな台詞なんて最後まで言わせない。


「だ、大丈夫…だか」

水気を含んだ音なんて、周りの騒がしい声にかき消されてしまう。


「ハ、ナちゃ…」

リキの歯切れの悪い言葉と共に予鈴のチャイムの音が耳に入るから。
名残惜しいリキの唇から一端離れた。


「な、なんで…こんな事」

目の前には頬を赤くさせるリキがいて


「だって泣きやむじゃん?」

私はそんなリキを見るのが面白くて、音を立てて軽くキスをしてから、からかう様に笑ってみせた。


「……」

「教室戻ろっか」

「う、うん」

まだ、納得のいかないようなリキは何か言いたげだったけど。ここは教室から少し離れた人通りの少ない渡り廊下という事もあり、私達は急いで教室に向かって歩き出した。

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