不眠症の上司と―― 千夜一夜の物語

 確かに、感情を波立たさせず生きていくのには、それなりに労力がいる。

 気持ちを常に切り替える労力だ。

 そんなこと慣れていたはずだった。

 桜田が居なくなったときも、友人たちに相談することも、話をすることもしなかった。

 自分の中で切り替えられると思っていたからだ。

 でも、なんか、今回の方が、こたえるなあ……。

 年をとったからなのか。

 それか、遥人に感じているのが、桜田に感じているのとは、全然違う感情だからなのか。

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