不眠症の上司と―― 千夜一夜の物語

「まあいいや。
 可愛い那智に何事もなければ」
とおろしていたヘッドフォンをかけようとする洋人に言った。

「お前、那智には手を出すなよ」

「あんたにはもう、それを言う権利はないよ」
と睨まれたが、すぐに、洋人は、

「大丈夫」
と言う。

「那智はちょっと似たとこあるから、好みだけど。
 まあ、今はそんな必要全然ないねー」
と笑ってみせる。

 殺す、こいつっ、と思いながら、桜田は言った。

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