女若頭への愛の償いⅡ

第11章 /夢を現実に

どうして私は、忘れる事が出来たのだろう…

あのいかがわしい過去を…。


″龍架″

誰かが呼んでる。

すっと心に入ってくる透き通る声。

″…龍架″

私を呼んでる。

繊細で低く心に響く声。

″龍架″

誰かが私を呼んでる。

氷のように冷たく…けど、どことなく温かな声。

ゆっくり…ゆっくり

目を開く。

眩しいくらいの光が私の目を刺激する。

『龍架…わかるか?』

『………りっちゃん?』

恐る恐るりっちゃんに腕を伸ばす。

また、伸ばした手が届かないのは嫌だよ…

『…龍架…大丈夫だよ…』

『よかっ、た…』

ぎゅっと暖かな温もりに包まれた私の手。

今度は大丈夫。

しっかり届いてる。

私は寝ていた身体を起こした。
行かなきゃ…死神を仕留めに…

『若っ、皆さんっ』

静寂していた一室に慌ただしく息を切らして
私とりっちゃん達を呼ぶ。

『何があった。』

『三斬衆がやられました。後拉致され琴葉達が追っています。』

紫輝達がやられた…

自分でもびっくりするくらい冷静だ。

何故こんなに平穏なのか…

今の私には何もわからない。

だけど、一つだけわかる。

今の私がすること、それは
紫輝達を迎えに行くこと。

死神を仕留めること。尋を仕留めること…

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