素顔のまるⅡ

お前も佐竹の息子

空と陣が真っ裸でプールで泳いでいる間に円里は実家と佐竹家に電話した。

張りのある娘の声を聞いてゆりは安堵の表情を浮かべながら12月の計画を話した。

せっかくだから4、5日観光して帰れるように考えていること。円里は無理でも空とは一緒に観光できたら嬉しいという。

12月11日は円里の家に泊まりたいけれど、佐竹家優先でかまわないこと。無理なら近場に泊まること。

「分かった。佐竹のお父さんたちにもきいてからまた電話するね」

「そうね。そうして。円里、元気?」
「うん。ママ、ごめんね……心配ばかりかけて……私、元気だから。事故現場に行こうって思えるほど元気になったって思っていいからね。パパも元気?」

「ここで電話かわるのうずうずしながら待ってるわよ。待ってね」

「円里」

「パパ。12月は会えるの楽しみにしてるね。空も大きくなってるし、英語も苦労してないし、本当に哲のミニチュアだなあって思う。だけどね、陣さんが私に似てるって。おいしいもの食べている時とか、興味あること聞くときの目とか、大きな目をキラキラさせながら嬉しそうに笑うって」

「そうか、空は哲と円里のいいとことばかり受け継いだのかもな」

「だといいね。あとね、パパ……」

「何?」

「ううん……会ったとき話す。一端切るね」

穏やかな口調に哲が亡くなって張り詰め通しだった円里に少しだけ余裕を感じることができて、創は安堵のため息をついた。

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