禁断†純愛 Loveless ㊦【完】

作者柏木七生

指先から手首。それからゆっくりと肩へと這う、おおきな手のひら。触れられるたび、心が震える。この感情はどこから来るの?言葉にするすべを私は知らない。

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illustration by Ray






雨どいを転がる丸い雨のつぶ

天使の頬を伝う透明な涙

薔薇の花弁からこぼれる

朝日に照らされた




「俺のことどう思ってる?」


兄と妹のように生きてきた

私にとって唯一の男、如月


私を見つめる漆黒の瞳が

濡れたように輝きを放つ




「俺はずっと……あの人を」


不埒な願いで恋を始めて

唇を重ね続けた、慈応


どこか影のある瞳は

それでも私を見つめていた






いつだって自分が正しいと

信じているそんな君が嫌いだ






since 20100202~

20100502 end