じょうろ と バスケットボール【完】



乱暴に投げたボールが、ゴールする確率はゼロに等しい。


シュート練習を諦めて、俺はコートを出て壁にもたれた。


朝から何度も体育館の扉や、手洗い場や、花壇ばかり見ている自分がいる。


アイツの姿が見付けられない事にイライラしている。


なんだよ、嘘つき。


あれからすぐに盆休みに入ったから部活が休みで、


だから仕方ないって思ってたけど、今週に入って3日目だぞ?

来るって言ったの、アレは嘘かよ?


「朝からイラついてんね」


近付いてきたのはマネージャーの小出先輩。


天然なのか茶に近い栗色の、肩までの長さの髪の毛先が両頬に刺さりそうになってる。


とろん、とした目がいつも眠たそうに見えるふわふわした見た目の彼女は、実は中身はかなり強気で強引な性格をしている。

第一印象で騙されてバスケ部に入部した輩の2割は、3ヶ月ともたず辞めてしまった。




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