じょうろ と バスケットボール【完】

合宿―前々日―*side保*



「空井のヤツ、」


苦笑しながら、水瀬をさらっていく空井の背中に毒づく。


でも、今のはしゃーない。


俺だって、あんな水瀬の表情を見せられたら、さらいたくなる。


残酷なんだよ、水瀬は。


空井から気持ちを聞かされて、

水瀬がバスケ部の練習を見に来ると、空井が嬉しそうに話していたのを聞いていたから。


アイツが練習の度に、体育館の入り口をチラチラと気にしているのは分かっていた。


でも、水瀬の性格じゃあ、堂々と見に来るなんて出来ないことも分かっていた。


やっぱりね、そう思いながらも俺だって、気付けば空井と同じ様に水瀬の姿を探していたんだ。


でも、週末からの合宿に水瀬が臨時マネをしに来るなら、俺にだってそれはチャンスなんだ。

正々堂々と、と言った空井の言葉に甘えて、遠慮なんかしない。


そうだろ、空井。


俺も二人の後を追って、体育館へ戻った。



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