じょうろ と バスケットボール【完】

合宿―1日目―*side 保*






目の前の優しい横顔に、思わず見入ってしまった。


両肘をついてその上に顎をのせた俺が、目の前で縫い物に集中している水瀬に視線を向けても、彼女は気付いていない。


最初は恥ずかしがって見ないでほしいと言ってたのに。


縫い始めて5分も経てば、そちらに夢中になってしまっている。


こんな風に、何かに夢中な彼女の横顔を見るのは初めてじゃない。


園芸部で花壇の世話をしている時、


教室で本を読んでいる時、


クラスで何かの作業をする時、

真面目な彼女は、他の生徒達が手を抜いてしまうような事も、真剣に、夢中に、こなしていく。


そんな時の彼女の横顔は、本当に見惚れる位、綺麗なんだ。


「あ、また見てた」


俺の視線に気付いて上目遣いで睨む水瀬。


「ごめん、」


謝れば、笑って許してくれるから、ついまた怒られるのを承知で見てしまうんだ。



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