じょうろ と バスケットボール【完】



まだまだ子供で、我儘で、小さい俺だけど。


今まで通り、俺は俺だ。


保や、他の部員や、加藤先輩のようにはなれない。


だけど、


水瀬の事が好きだって言う気持ちは変わらない。


だったら俺らしく、水瀬の傍にいたい。


子供で、我儘で、小さい俺のままで……。


そんな俺でも、水瀬は許してくれるだろうか?


水瀬へ視線を向ける。


偶然、水瀬も俺を見ていて一瞬その視線が絡み合った気がした。


次の瞬間には反らされてしまったけれど。


でも、俺はその視線を水瀬から外すことはしなかった。


逃げたくないと思ったんだ。


こうして水瀬へ向ける視線にも、俺自身の気持ちからも。


水瀬、


こっち見ろよ?


懇願するように視線を送れば、ふっとまた水瀬の視線が俺のそれと重なる。


一瞬驚いた顔をして、だけど今度はそらすことなく、俺を見ている。


ほんの少し、はにかんだ表情に胸がどくっと、跳ねたのは仕方ないと思うんだ。






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