じょうろ と バスケットボール【完】


「なぁ、空井」


体を起こした空井に呼び掛ける。


「……どした?」


水瀬となにかあった?


本当はそう聞きたかった。


回りくどい言い方をしたって、鈍感な空井に伝わるとは思えない。


でも、ストレートに聞いてもしも、二人の間に何かがあったのだとしたら。


俺は、平気な顔で聞いてやれるだろうか?


「保、どうした?」


訝しげな視線に、ハッ、として首を左右に振った。


そして、丸切り関係ない話を振ってしまう。


「あ、あぁ。なんかさ、坂井が加藤先輩と小出先輩がキスしてるの見たとか触れ回っててさ」

二人が付き合っているのは、周知の事実だし、付き合っている二人が何をしようがそこまで騒ぎ立てる事じゃない。


と、俺は思うのだが、周りはそうじゃないらしい。


だけど、空井だって多分興味はないはずで……?


「空井、?」


俺を見る空井の顔が、真っ赤に染まっていた。


意外に色白な空井の肌は、面白い位に分かりやすい。


「えっ、?あ、あぁ、キ……キスね」


酷く焦った様子で視線をそらす。


コイツ、こんなに純情だったか?


あまりにも幼い反応に困惑してしまう。


今までなら、「へぇ、」ってな反応位だった筈だ。



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