じょうろ と バスケットボール【完】

当番―3日目―


「毎日大変だね」


じょうろに水を入れていると、すぐ目の前から誰かに声をかけられて、私は顔をあげた。


「庄司くん」


「おはよ、」


無邪気な笑顔を向けられて、つられるように笑顔を作った。


「……おはよう」


「園芸部の当番だっけ?」


「うん、庄司くんはバスケ部の練習?」


「そ。夏休みなのに毎日やるんだよ。休みじゃないよねちっとも」


苦笑いした庄司くん。


庄司くんと言えば、クラスの中でも背が高くて目立つ人。


いつも笑顔でいる男子で、隔たりなく誰とでも親しく付き合える人というイメージ。


「ところでさ、水瀬は、なんでじょうろ使ってんの?」


また、聞かれちゃった。


昨日と今日の2回。


昨日、空井くんに聞かれた時は巧く答えられなかなかった。


じょうろに変えた理由が、空井くんでもあったし。




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