じょうろ と バスケットボール【完】






また、じょうろで水を撒いてるのかアイツは。


体育館の入り口から、校舎沿いの花壇に目を向ければ、昨日となんら変わりはない光景がそこにあった。


手洗い場と花壇を、じょうろを持って往復する女子の姿。


少しは休めばいいのに。


思わずそう言いたくなる位、規則的に繰り返されるその行動。

草を抜く、水を撒く、時には肥料を入れていることもあった。

なんの変化も、刺激もない、単調な作業を黙々と続けるのだ。

俺には絶対出来ないな。


素直にそう思った。


あんな単調で、重労働な作業を文句も言わずに、あの細腕で……。


腕だけじゃない。


足も、身体も細い。


水が貯まった重いじょうろを、持ち上げた時には腕がぷるぷると震えていたりするのだ。




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