じょうろ と バスケットボール【完】

当番―5日目―



「あいつに、どんな魔法をかけたの?」


花壇に水を撒いていた私の隣に立ったのは、庄司くんだった。

「魔法?」


庄司くんの言葉の意味が分からず、首をかしげる。


「かして、」と、右手を伸ばし、躊躇う隙も与えず庄司くんは私の手からじょうろを奪う。


強引なのに、笑顔を向けられると、素直に甘えていいんだと思えるから不思議だ。


女子の扱いに慣れてる。


当番を始めて、5日目。


庄司くんは会うたびに話しかけてくれて、いつの間にか水撒き迄手伝ってくれる。


「空井がさ、」


突然出てきた空井くんの名前に、ドキリ鼓動が打つ。


まだ、怒ってるのかな?


昨日調子にのって話し掛けたら不機嫌に眉を潜めて、体育館へ戻って行ってしまった。



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