甘い、言葉

気楽な付き合い





「見ろよ、香奈の好きな赤が手に入ったから持ってきてやったぞ」


玄関の扉を開けると、上機嫌な健太の顔。

右手で持ち上げた細長い袋からは、ボルドーのワインボトルが覗いている。


「わ、これ飲みたかったビンテージものだ」


20歳でお酒の味を覚えてから、一番嵌まったのが赤ワインだった。
甘いお酒よりも、辛みや渋みを感じる方が好きで、日本酒なら辛口。

お酒のあても、自然チーズとか、たこわさとか、独特の風味のあるものを好んだ。

健太からワインを受け取り、リビングのテーブルに置いた。

健太は私の頭を引き寄せて軽くキスすると、ネクタイを弛めながら、ソファへ私ごと倒れこんだ。

仕事を終えて、お酒やつまみを持って、うちへ来る健太のルーティンのような流れ。

この後、多分このままここで、体を重ねる。

0
  • しおりをはさむ
  • 20
  • 2467
/ 25ページ
このページを編集する