翼が欲しい  【完】

2.翼 19歳



中途半端な季節は嫌いだ。


春に対する嫌悪感ほどではないけれど秋もやっぱり好きにはなれない。


暑くもなく寒くもない季節は思い出したくない事を連想させるから。


親の転勤で中高を過ごした神戸から大学入学と同時に都内に戻った俺は入学早々懐かしいヤツに遭遇した。


引越をするまで近所に住んでいた同級生の矢野圭輔だ。


相変わらず面倒見が良くてなかなかのイケメンに育っていた。


同じ経済学部で最初の講義の時真っ先に話をしたやたらと目立つヤツ、瀬上貴幸。


この二人と気付いたら行動を共にしていた。


二人とも性格は全く違うけど賢くてなかなかいいヤツらだ。



バイトに明け暮れた夏休みが終わり久しぶりのキャンパス。


講義終わりに三人でふらっと立ち寄ったカフェテリアで俺は出会ってしまった。


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