BABY BLUE ㊤【完】




「夢子、笑ってるけどね。わたしにとっては、笑い事じゃないんだから」



「だって」



こんなうれしそうな里沙を見るのは、初めて。



里沙のいつものストレートの真っすぐな髪も、今日は艶やかな内巻きになっていた。



「あと、夢子が貴のライブに通ってたとか」



「里沙、毛嫌いしてたし。一ノ瀬くんのこと」



「まあね。それにしても、びっくりした」



「驚いたのは、わたしの方だよ」



つらくなんかない。



だって、今笑えてる。



そうだよ、きっと錯覚しただけ。



…………。



あの人を好きなのかもしれないって、ほんの一瞬。


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