世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter one /Ⅷ わかってほしい






「あ、瞳子ちゃん」



「綾乃ちゃん」



と、航生くん。



ちょうど、短い朝のデートを終えて、改札で別れるところだった二人。



「邪魔なのが来た。じゃあな、綾乃」



わたしに対しては、相変わらずの態度で、航生くんが反対側のホームへの階段を下りていく。



「ごめんね、瞳子ちゃん。行こうか」



「ううん、全然」



本当に、航生くんのことは、どうでもよかった。



首を振って、わたしも綾乃ちゃんと歩き出す。



「航生くんと、うまくいってるみたいだね」



「うん……やっぱり、わたしには、航生くんかなって」



にっこり笑う、綾乃ちゃん。



航生くんも、あんな心配する必要ないのに。



「まあ、正直に言うとね」



少し考えてから、綾乃ちゃんが話し出す。

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