世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter two /Ⅲ 約束






放課後。



「じゃあ、練習頑張ってね」



「ん。また、明日」



「うん」



帰り際、一緒に下校できない結城くんの教室に立ち寄って、あいさつを交わしたところで。



「あー、野呂さんじゃん。続き、昼休みに読んだよ」



わたしの姿を見つけて、駆け寄ってきてくれた、いつかの女の子。



「えっ?もう?」



部誌の最新号は、わたしもまだ手元にないのに。



「そうそう。休み時間に、文芸部の顧問が何冊か持ってるの見てさ。頼み込んで、借りちゃった」



「わ……そう、だったんだ」



それって、わたしの小説を読みたいと思ってもらえたから、なんだよね。



やっぱり、信じられないけど、うれしい。


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