世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter one /Ⅰ ただ、眩しくて








「……うん」



もう一度、髪と衿元を整えて、鏡を見る。



憧れていた、紺のブレザーに、チェックのスカート。



中学のときの指定のセーラー服とは、全然違う。



こんなわたしでも、少しは高校生っぽく……。



「あ、いけない……!」



部屋の時計を見上げて、驚いた。



入学式から遅刻なんて、恥ずかしい。



「お母さん、お父さん、行ってきます。今日も、見守っててね」



あわてて、棚の上に飾ってある写真に声をかけると、階段を駆け下りた。

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