世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter two /Ⅴ 偶然の悪意









「あ。早速、つけてくれてる」



朝、わたしが通学用のバッグに入れようとしていた携帯を見て、うれしそうに言ってくれた、綾乃ちゃん。



「うん。ありがとね、綾乃ちゃん。わたし、ムーミン大好き」



近くにあるカフェで買ってきてくれたという、ムーミンのストラップ。



綾乃ちゃんの選んでくれるものは、いつも可愛くて、センスもいいの。



「そう思ったんだ、よかった。瞳子ちゃんとムーミンって、雰囲気が似てるよね。おっとりしてて、和む感じが」



「えっ?そ、そう?」



「それにしても、よかったね。瞳子ちゃんも、いい週末になったみたいだし」



にっこりと、綾乃ちゃんが微笑む。



「うん……楽し、かった」



結局、あのまま、二人とも眠りに落ちて。



一緒に、朝ごはんを食べたあとは家を出て、いつもどおりに夕方まで過ごしていた、わたしたち。

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