世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter two /Ⅵ あきらめきれない









「本当に、すみませんでした。待たせてしまったのに、提出できなくて」



「べつに、大丈夫だよ。次の締め切りには間に合ったら、持ってきてね」



「はい」



朝、文芸部の部長のところに寄ってから、自分の教室に向かう。



途中、C組の教室の中の結城くんの後ろ姿だけは、確認できた。



「…………」



自分の席に着くと、静かに息を吐いた。



一週間以上、無視され続けているメール。



もちろん、電話も。



数ヶ月前、わたしは、結城くんと会ったことすらなかったのに。



結城くんという存在を、失ったかのような状態の今。



なんだか、モノクロの世界に、一人放り込まれたみたい。



くじけそうになるよ。


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