世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter two /Ⅸ 打ち砕かれて








「瞳子ちゃん、学校は無理そう?やっぱり」



「はい……ごめんなさい」



月曜日の今日も、ベッドから出ることができなかった。



正確には、動画が撮られたという自分の部屋の光景や、結城くんがいた綾乃ちゃんの部屋の壁が視界に入るのが、苦しいだけなのに。



また、おばさんに心配をかけてる。



「謝る必要ないのよ。ただ、瞳子ちゃんが心配なの。先々週も、ずっと休んでたでしょ?」



「…………」



そうだった。



あの事件のあとも、一度は外に出られるようになった。



「とにかく、今日はようすを見ましょうか。お茶、置いていくわね」



「……はい」



「お母さん、行ってくるね」



階段の下からは、綾乃ちゃんの声。

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