世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter three /Ⅰ ウは宇宙船のウ








……高校生、か。



結城を待ちながら、駅前の店のガラスに移る自分を、ちらりと眺めた。



やっとだ。



やっと、近づけた。



中学生なんかじゃ、話にならない。



これからは、会える時間も増えるし、少しずつ……。



「保科」



いつもにも増して、機嫌悪そうに現れた、結城。



結城のわかりやすさは、個人的に笑えて、好きなんだよな。



「何だよ?」



思ったとおり、結城が突っかかってくる。



「いや。入学式早々、そんな顔してるから」



「…………」



「嘘、ごめん。待てよ」



笑いをこらえながら、無言で歩き出す結城のあとを追った。

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