世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter three /Ⅳ 残像









「やばい。結城、可愛いすぎる」



「うるさいな」



誰もいない、野呂さんの家に泊まりにいったという帰りに、結城が俺の部屋に寄ったから。



とりあえず、「おめでとう」と声をかけたら、どうもようすがおかしくて。



問い詰めてみると、極度の緊張のせいで、途中で続行不能な状態になったことが判明。



「しょうがないだろ?適当な女と遊んできた、おまえとは違うんだよ。向こうだって、初めてだし」



「いや、ごめん。だめだわ、俺。おまえが愛おしくて、たまらない」



「ふざけんなよ」



結城がムキになればなるほど、可愛さに涙が出そうになる。



まあ、野呂さんが初めてだという結城の思い込みに、多少引っかかるのは置いておいて。

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