世界はほんの少しの闇と溢れるばかりの愛で満ちている【完】

chapter three /Ⅵ 瞳子ちゃんノート








「野呂さんの両親は……」



自分たちの手に負えなくなった野呂さんを、綾乃ちゃんの家に預けたんじゃなかったのか?



結城に確認しようとして、思い直す。



結城だって、混乱してるに違いない。



とにかく、このノートに書かれた文章は。



野呂さんではなく、綾乃ちゃんの手によるもの。



他愛のない、両親と野呂さんへの文句みたいなものが続いたあと。



乱れた字で、こう記されていた。




のろまでぐずで頭もわたしよりよくない瞳子ちゃんは、一生わたしのひきたて役


それで許してあげようと思ったのに、読書感想文で瞳子ちゃんだけ表彰されて、お母さんとお父さんにすごいと言われてお祝いされた


大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い


瞳子ちゃんが大切にしてるもの、いつか全部とってやる




一見しただけでは、子供の落書きの域を越えないかもしれない。



でも……。


0
  • しおりをはさむ
  • 621
  • 6731
/ 841ページ
このページを編集する